片腕を折られた河童は、人間に復讐したく姫神様にお願いする。聞けば、海に遊びに来ていた行楽客の、妙齢のご婦人に気を取られ見つかり、逃げ込んだマテ貝の穴をステッキでつつかれ重傷を負ったのだという。仇討ちに、座敷に大魚の石投魚を放り込んでやりたい…。憑かれたような、結部の大団円!現世と異界を行き来する、鏡花奇譚の面目躍如!鏡花の短篇に、人形作家・写真家の石塚公昭が挑む挿絵本の範疇を超えたビジュアルブック。新大人の絵本!