地球温暖化や環境汚染への懸念が増すにつれ、企業の社会的責任(CSR)に対する関心も高まりつつある。本書は、これまでに行われた多数のCSRに関わる企業の取り組みを考察し、CSRの可能性と限界について、首尾一貫した概観と分析結果を提示している。CSRが社会に及ぼす影響だけでなく、CSRを行う企業の採算性や株主との関係、株価の動向についても考察している。「美徳の市場」(すなわち、企業の美徳行為は売り物になるのか、ペイするのか、美徳ゆえにおカネを払う買い手があるのか、ということ)は存在するのか、存在可能なのか?CSRだけでなく、投資市場の動向、経営学、社会学に関心のある方にとっても興味深い内容となっている。