群雄割拠の筑豊炭田。一丁字もなき地平から功成り、名を遂げ、天下の美女白蓮を、銅御殿を手中にするも一炊の夢であったのか。紅葉艶めいて散るごとく、炭坑の華やぎもやがて色失せ、太平洋戦争と命運を共にする。その終局を見届けた最後の炭坑王「傳むね」と呼ばれた男の波乱に満ちた生涯。