競輪選手になるのは東大に入るよりも難しい!? 激しい競争をクリアした者のみが手にすることの出来る、その栄冠を目指して、過酷な練習を続ける二人の若者の姿を追った3年間の記録。一人は記録には自信があるが学科試験が不安、もう一人の若者は記録が不安、その結末は…?
「自分の夢に向かって突き進んでいる若者たちを追いかけて、何年になるのだろうか。風に吹かれながら彼らの練習を見て、夏の太陽に炙(あぶ)られながら話を聞いた。その日々を思い出すと、夢に向かって一緒に走っていたように思う。 彼らが、日々何を考え、苦しい練習を重ねているか。その一瞬一瞬を描くことができるか。そこではただ同じ時間、同じ場所で、同じ風を感じながら、見るしかないと思った。競輪選手が風を感じながら走る仕事なら、自分も風を感じながら原稿を書くことを心がけた。」(本書「まえがき」より)