現在、世界の主な植物種の8分の1が絶滅の危機に瀕しており、しかもかつてないスピードで絶滅しつつあるという。バオバブやオオミヤシなどのエキゾチックな樹木ばかりではなく、われわれにおなじみのチューリップやセントポーリアの祖先種も、地球の片隅で種の寿命がつきるのを静かに待っている。身近な野原から「南海の楽園」まで、近代文明の「侵略」によって滅ぼされてゆく植物たちをめぐる、不思議と哀しみに満ちた「生物多様性」の旅。