戦前の激動の時代、九州・筑後地方の旧宿場町でこの物語の主人公・安子は生を得る。早産で、医者に「こん子は名はつけんほうがよかばい」と見放されながらも、ヤカマシ者の父・寛次と笑い上戸の母・ラクヲに甘やかされ、よく笑いよく泣きよく怒るパワフルな子に育つ。我が道以外の道はなく、人生常にフルスロットル。そんな筑後のぐいぐい女と家族の半生を、ホームドラマ風に描いたエンターテインメント小説です。