和歌山県は多雨であり、総面積の7割を山地と森林が占める。急勾配の川は淀まず、そのまま海に注ぐ。海で水は蒸発し、雲になり地上に雨となって循環する。 和歌山の川では、水に入って流れを水平に見ると、水面近くに「水色」が広がって見える。この色は透明度の高い水でしか見られない特別な色だ。著者は、これが本当の「水色」だと言う。循環する水が育む豊かな生態系、そして人々の暮らしや文化、信仰にも深く溶け込んで入る水。そうした力を持つ水のさまざまな表情をとらえた極上の写真集。