肉食獣のなかでも特に残忍な殺し屋とされるリカオンも、子どもへの愛は徹底している。ところがそんなリカオンが、なぜかときとして子殺しに走るという。また動物のなかには「暴力亭主」や「教育ママ」が多かったり、必要以上に大量虐殺を行なうものもいる。なぜだろうか。本書は、動物社会で起こっているできごとの多くは、私たち人間社会のできごとの萌芽形態ではないかという立場にたって、その関連性を探る。