ゲーテの臨終の言葉を法医学的に検証し、死因追究のためとはいえ葬式を途中で止め、乾いた田んぼでの溺死事件に頭を悩ませ、バラバラ殺人やめった刺し殺人の加害者心理に迫る…。監察医経験三十年、検死した変死体が二万という著者が、声なき死者の声を聞き取り、その人権を護り続けた貴重な記録。