澪湖は大学三年生。父の妹の和を幼少の頃から母親より慕っていた。その叔母が、最近、どこかおかしい。叔母夫婦はようやく恵まれた愛娘を生後五カ月で亡くしていた。それで、精神に変調を来したのだろうか。大きな悲嘆が彼女を壊してしまったのか…澪湖の疑惑は深まるばかり。不安な彼女を支えてくれたのは、オタク青年木塚くんだった-独自の文体で、人格変容の恐怖を探る長編。