現代日本を支える重要な基幹システムの多くは、実は、郵便局の支援を受けて発展している。そしてそれは、「前島密」という、江戸・明治・大正を、国を想う"無私の情熱"で駆け抜けた一人の男の、卓越した先見性と行動力があって初めて成立した偉業だった。本書は、近代日本創成期において郵便局が果たしてきた役割と歴史に埋もれてしまった意外な事実を描いたドキュメントであり、貴重な資料写真約300点とともに、「郵便」を文化史的視点で捉えた初めての本。混迷を深める21世紀の日本。求められる国家再生のシナリオ。今、130年の事跡とその原点にあった思想が、鮮やかに選ぶべき針路を指し示す-。