王道政治、五族協和、財閥排除等のスローガンのもと、ソ連社会主義や中国民族主義への砦、鉱物資源や農産物の供給基地という役割を担い、「日本の生命線」として生まれた満州国。しかしそれは出発点から、日本のかいらいとしての宿命を負っていた。以来、建国の理想をことごとく裏切った、十四年に及ぶ日本による満州国支配の実態を明らかにする。