バルトークが、自身の音楽的技法と思考を凝縮したピアノ教則本「ミクロコスモス」。その精神に敬意を表し、二十一世紀の「ミクロコスモス」たらんとするエッセー・シリーズ。いずれのテクストもモナドであり、それぞれが著者の思考の全体を映し出す。世界の単純な理解を拒み、この世の出来事を複雑で深いままに理解しようとする美しい実践。