• Author北尾浩一
  • Publisherウインかもがわ
  • ISBN9784876995769
  • Publish Date2001年1月

星と生きる / 天文民俗学の試み

星は、人びとの暮らしにとって、どのような意味を持ってきたのであろうか。人びとは、どの程度、星を見てきたのであろうか。人びとの生活のなかで、星は、山や海と同様、日常的な景観であり、生活及び生業と密着した自然環境のひとつであったと考えることはできないのであろうか。星と暮らした人びとの「ことば」「歌」の力はものすごい。そこには、自然認識の力、生きる力、そして豊かな表現力…と、私たちが失ってしまったすばらしいものがいっぱいある。だからこそ、星と暮らした人びとが伝えてきた伝承を、今では役に立たないもの、非科学的なものとして捉えるのではなく、あるいは、ふるさと的なもの、ロマンを感じさせてくれるものとして捉える段階にとどまるのではなく、21世紀、人間の生き方を考えるにあたって多くのことを示唆してくれるものとして捉えていきたい。

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