「さぁ、絵にしてごらん、わたしの話したことを」月はそう言った-大都会の屋根裏部屋で淋しく暮らす貧しい絵かきに、夜ごと月は自分が見てきた世界各地のできごとを語りかける。それは、ヨーロッパ各地からインド、中国、アフリカにまでおよぶ詩情豊かな美しい物語であつた。旅を愛した童話詩人アンデルセンの若き日の連作短編集。