3Dプリンタなどのデジタル工作機械がグローバル・インターネットとつながったとき、いったいどのような世界が実現するのか? いままさに、かつてSFとして描かれた技術が現実のものとなりつつある。大注目の工学者が興奮の未来と新しいヴィジョンを描き出す。(講談社現代新書)
「情報処理」から「物質変換」へ
おどろきの未来はもう始まっている!
私は「3Dプリンタで何がつくれるのですか」という質問をよく受けるのですが、
そのたびに「ワープロで何が書けるのですか」や
「ピアノで何が弾けるのですか」という質問と同じような奇妙さを感じてしまいます。
3Dプリンタをはじめとするデジタル工作機械は、
既存の何かを効率化したり、つくりだしたりするツールというよりも、
……創造や発想を刺激する「発明」ツールだと常々考えてきたからです。
3Dプリンタは、私たちに「何をつくりたいのか」を問いかけているのです。
――本文より