いま多くの日本人は経済的に苦しみ、それに呼応し心の病も深刻化している。本書の底本が書かれたのは2003年だが、当時と現在の日本人の「経済と心理の関係」は基本的に変わっていない、と著者は指摘する。急激な改革、不況による閉塞感が、もともと「うつ気質」の日本人の「心」に影響し、日本的な社会性や人間関係の崩壊を生み出していると言うのだ。心理学の視点から現代日本に警鐘を鳴らす1冊。