明治四〇年七月、二七歳の荷風は四年間滞在したアメリカから憧れの地フランスに渡った。彼が生涯愛したフランスでの恋、夢、そして近代日本への絶望-屈指の青春文学の「風俗を壊乱するもの」として発禁となった初版本(明治四二年刊)を再現。