空から見下ろす地上の風景は無限の夢をさそう-旅の巨人・宮本常一はいつもカメラを携行し、残されたネガは八万枚に及んだという。開発の進む日本列島を俯瞰し、物干しにかかった洗濯物に日本人の生活の変化を鋭く読みとるとき、なにげない一枚の写真が見事な時代の証言となる。本書は、その独特の写真解読術のすべてを集成した未収録エッセイ集。