動物の日周行動・季節移動に内在する体内時計や脳波にみられるリズムと、生命の誕生以来、連綿と続いてきた遺伝子、細胞、個体という構造の繰り返しリズム。この時間的・空間的リズムは、対称性の破れという視点から統一的に説明することができる。著者は、宇宙のなかの時間的・空間的な繰り返し現象にまで考えを進めるとき、生きていくうえでの安心感が、この繰り返し現象の予測の上に成り立っている、という考えに導かれるのである。