日米経済摩擦、コメの開放問題、株価の暴落、世界経済の不況の兆し、そしてイラクのクウェート侵攻と戦争の危機。「民主主義」の勝利感のなかで明けた90年代は、数カ月後には、また激しい流動を見せはじめた。新たなる混迷を露呈してきた世界は、今一体どこへ向かって歩みだそうとしているのだろうか。本書によるふたりの白熱の討議を通して、90年代の危機を生きる、新しい論理が提示される。