• 著者幸田文
  • 出版社講談社
  • ISBN9784061857889
  • 発行1994年10月

崩れ

山の崩れの愁いと淋しさ、川の荒れの哀しさは捨てようとして捨てられず、いとおしくさえ思いはじめて…老いて一つの種の芽吹いたままに、訊ね歩いた"崩れ"。桜島、有珠山、常願寺川…瑞々しい感性が捉えた荒廃の山河は切なく胸に迫る。自然の崩壊に己の老いを重ね、生あるものの哀しみを見つめた名編。

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