船が行き交う水路の岸辺を歩き、太鼓橋を越え、茶館で休み、また市場の雑踏へ入る。水路沿いには白壁に黒瓦がのった素朴な家々が軒を連ね、水辺の石段では洗い物をする人の姿が絶えない。こんな魅力的な小さな町が中国にはある。一方で、北京のような明快で威厳に満ちた王都も存在する。世界の都市文明を考えるのに欠かせない中国。本書では、その都市空間を解読する。