喧嘩が滅法強く、無頼な生活を送っていた美代次は、岡っ引の寅蔵と立ち回りを演じたが、まるで歯が立たず、石川島の人足寄場に送られる。それから一年近くが経ち、身元引受人として寅蔵の父・龍蔵が現われた。出所した美代次は、寅蔵の死を聞かされる。心ならずも、十手持ちとしての修業を始めた美代次だったが…。寅蔵の死の謎と人足寄場の不正疑惑に、見習い岡っ引の美代次が挑む。文庫書き下ろし。"捕物&人情"時代小説。