ベトナム、そしてベトナム人が他の東南アジアの国や人々とどこか一味違っているというのは衆目の一致するところ。しかし、どこがどのように違うのかとなると、誰もうまく説明できませんでした。そこのところをズバリと明快に解き明かしてくれたのが本書です。著者は在ベトナム10年(ハノイ5年、ホーチミン5年)の現役外交官で奥さんもベトナム人。ベトナム語の学習書を出すぐらいベトナム語に堪能なのも強味ですが、この人の面白いのは「抜き差しならない」と本人が表現するほど、ベトナムの庶民生活にどっぷりつかってしまったこと。そして、本書の魅力もまたそこにあるのです。