幼少期は健常だった僕に、最重度の身体障害者手帳が交付された。病名は「松果体腺腫の脊髄転移による体幹機能障害」。絶え間なく襲う激痛のため絶えず鎮痛剤を求め、痛みが緩和されると眠りにつく生活からは脱したが、ロシアから取り寄せる保険適用外の高価な薬で家計は窮迫し、生活にも進学にも不当で不自由な制限がかかる……。障害者の苦闘と失望を描いた純文学。