紀貫之は女性になりすまし、かなで「土佐日記」を著した。物語でも歌集でもなく、作者の素顔が見え隠れする日記文学の誕生である。他に、和歌に日々の想いをこめた「蜻蛉日記」、宮仕えの回想「紫式部日記」、物語世界への憧れ「更級日記」を収録。