名門トウボウは紡績から身を起こし、化粧品事業で世に知られる。だが長年にわたる粉飾決算のため、その屋台骨は蝕まれていた。常務取締役・番匠啓介の孤軍奮闘も虚しく、トウボウはその両翼をもがれてしまう。やがて、彼は東京地検特捜部にある疑惑を抱かれ-。経済界を揺るがせた企業崩壊、その渦中にいた者にしか描きえなかった、迫真の人間ドラマ。