ムーミンの作者トーヴェ・ヤンソンの晩年を、ヘルシンキのアトリエで撮影した貴重な記録!
お客をもてなすことが好きで、歌い踊ることを心から楽しんだ。
夏の小さな島暮らしと自由な時間を大切にしていた。
そして、日本が大好きだった――。
しかし、この物語は、その後しばらくトーヴェさんの机のひきだしに入ったまま、ほとんど忘れられていたそうだ。それでも一度、生を受けたムーミンが、消えてしまうことはなかった。消えるどころか、この話を助走にしてムーミンは成長を続け、世界中の子どもたちに愛されていく。
ところがこの作者は、一度たりとも子どものために書いたことはないという。
創作作業というのは個人的なもの。芸術家と作品との孤独な対話だから。でも、作品が完成した後はなによりも読者が大切。多くのインタビューで答えていた通りに、私にも語ってくれた。
――<本文より>