技術とは基本的には何ができるかということであるが、次の段階ではその確実さとスピードが問題になる。下手な鉄砲も数打てば当たるのであるが、熟達した打ち手は間違いなく一発でしとめる。問題の本質を押さえ、それを的確に誤りなく行う知識と技量が技術であると筆者は考えている。大勢の人が関与する作業においては、個人ではなく集団としてこれが行えなければならない。設計開発集団においてこれをいかに実現していくかが設計開発の品質マネジメントである。本書はこれをいかに行うかについて筆者がこれまでに学んできたこと、考えてきたことを中心にまとめたものであるが、(財)日本科学技術連盟(日科技連)で行っているセミナー「設計開発における品質マネジメント」において筆者らが行っている講義のテキストの統合版でもある。