神さまの手の話、貧しい人々の話、指貫の話、芸術家の話…。2ヶ月にわたるロシア旅行を通じて、敬虔で素朴な民衆の姿に感動した若きリルケ。彼はその後"神さま"という一本の糸で貫かれた13の珠玉から成る短編集を7晩で一気に書きあげた。子供のための話を大人に話して聞かせるスタイルを取り、それぞれの話が淡いパステル画を思わせ、まるでおとぎ話のように静かに語られる。