ビデオ・半導体の世界的シェアの独占から、日本の技術覇権を云々する説は多いが、はたして本当か。東芝ココム事件のような国家安全保障と結びつく国家技術摩擦は、どんな世界秩序の枠組で捉えたらよいのか。一昔前の武力・領土的発想や、最近の通商国家論の如き経済視点ではなく、本書は「国家は技術によってヘゲモニーをかち取り、技術によって失う」という観点から大国の興亡を読み直し、日本の今後の進むべき方向を示唆する。