本作は、第二次世界大戦直後に小冊子として出版され、長らく絶版だったもの。ムーミンシリーズ8作が完結した21年めに、ようやく本として出版されました。書かれた時期でいえば、シリーズ第1作になります。ムーミンママと、家をさがす旅へ出る、おさないムーミントロールも、ほかの本とは、どことなくちがった印象の挿し絵。スニフがまだ名前をもたず、「小さな生きもの」だったころのお話です。
ムーミンパパはいないけど、もう待っていられない! 冬がくる前に家を建てようと、おさないムーミントロールとママは、おそろしい森や沼をぬけ、荒れ狂う海をわたり、お日さまの光あふれるあたたかい場所をめざします。
仲のよいムーミン一家にこんな過去があったなんて。スニフがまだ、名前をもたず、「小さな生きもの」だったころのお話。
本作『小さなトロールと大きな洪水』は、第二次世界大戦直後の混乱期に小冊子として出版され、長らく絶版となっていたものです。ムーミンシリーズとしてよく知られている8作が完結した21年めの1991年に、ようやく本として出版されました。つまり、書かれた時期でいえば、ムーミン童話シリーズの記念すべき第1作なのです。
そう思ってみれば、画家であったトーベ自身の手になるムーミンの挿し絵もどこか、ほかの本とはちがったものになっています。そんなことも楽しみながら、手にとってみてください。