• 著者ニッコロ・マキャヴェッリ 夏川賀央
  • 出版社ウェッジ
  • ISBN9784863101838
  • 発行2017年6月

マキャベリの「君主論」

【経営者、政治家が愛読する書。慎重であるより、果敢であれ!】

自己啓発書としても読める名著の数々を、わかりやすい現代語訳で読むシリーズ第3弾。

「マキャベリズム」と称され何かと誤解されがちな書ですが、実際述べられているのは、仕事をする上で必要不可欠なことばかり。ただ、世界史の知識がないと読みづらい点もあるため、主要な登場人物一覧や当時の地図、メディチ家の存在等、コラムとして掲載し、読みやすく工夫しました。

本書は、16世紀初頭から世界中の人々に愛され、読まれ続けてきた名著です。仕事をする上ではもちろん、生き抜くために必要な要素が詰まっています。ぜひ、その面白さを堪能してください。

――「はじめに」より マキャベリズム……という言葉がある。 目的を達成するためには、どんな卑劣な手段も、ときには選ばねばならない。他人を欺き、恐怖させ、人の心理を巧みに操って、自身を鉄壁の守りで固めよ……。 そんな内容から、世間ではダーティーな考え方と、とられている。 本書『君主論』は、のちにマキャベリズムと呼ばれるようになったこの考え方を、世のリーダーに説いた本だ。おそらく現代のビジネス書や自己啓発書に慣れた読者は、まるで思いっきり頭をゲンコツで殴られたような衝撃を本書から受けることだろう。 けれども忘れてならないのは、本書は16世紀初頭から、世界中の人々に愛され、読まれ続けてきた名著である、ということだ。 一体それはどうしてだろう? 私たちを取り巻く世の中は、決してキレイごとだけで済むようなものではない。 予期せぬことは必ず起こるし、会社に行けば自分の足を引っ張る人間はいる。信用できない人間は日々、私たちの前に現れるし、自分の望みを妨げる障害はどこにでもある。 そんな中で、私たちは自分のやるべきことを行い、自分の生活や仕事を守り、自分の愛する者を守っていかねばならないのである。 ましてリーダーともなれば、自分を信じる多くの人間たちに責任を負う。ただ優しいだけでは、多くの人を不幸にすらしかねないのだ。どんな手段を使ってでも生き残り、勝利者にならなければ、没落するのみになる。 現実を前にしたら、甘いことなど言っていられない。あなたも、そう感じることはないだろうか? (中 略) 本書には、自分のやるべき仕事のため、任された組織や会社を維持するため、また自分の愛する者や、ほかならぬ自分自身を守るため、私たちが嫌でも知っておかねばならないことのすべてがある。人から嫌われようが、批判されようが、私たちには貫かねばならないものがあるはずだ。 もし、この世の中において「生き抜きたい」と思うのであれば、私たちはマキャベリを避けることができない。 しかし最後まで本書を読めば、世界に逆らってでもあえてこの論を説いたマキャベリの〝優しさ〟に、あなたは必ずや心を打たれることになるだろう。

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