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  • 著者サントリー文化財団 アステイオン編集委員会
  • 出版社CCCメディアハウス
  • ISBN9784484182193
  • 発行2018年5月

アステイオン 88(2018)

特集 リベラルな国際秩序の終わり?
 いま、世界の色々な場所で、リベラルな国際秩序の終わりが語られている。その最大の理由は、トランプ米大統領がリベラルな国際秩序の中核となる重要な規範を軽視して、侮蔑しているからである。とはいえ、トランプ大統領がホワイトハウスから去った後も、リベラルな国際秩序の衰退は続くであろう。同時に、オバマ大統領の時代からすでにその終わりが語られてきている。この問題を、長い歴史の中に位置づけて考えることが重要だ。(略)
 リベラルな国際秩序が現実には存在していないと考えるにせよ、あるいはすでに過去の遺物であると考えるにせよ、これからは権力政治、地政学、軍拡競争、貿易戦争によって彩られる、より不安定で、より危険に満ちた世界となるであろう。はたしてわれわれは、リベラルな国際秩序を擁護し、修復し、強化させるべきか。あるいは新しい地政学と権力政治の時代に備えて、軍備を増強すべきか。本特集に寄せられた論文の数々を読み、それらを理解する契機となれば、大きな歓びである。
                               責任編集 細谷雄一(巻頭言より一部抜粋)
<特集>納家政嗣/アーロン・フリードバーグ/中山俊宏/ミンシン・ペイ/小泉 悠/ヴィヴェク・プララダン/板橋拓己
<論考>
ヴォルフ・レペニース「力を失うドイツ――EUにおけるパワーシフト」
北岡伸一「 若き日の中曽根康弘――憲法改正論の構造」
<写真で読む研究レポート>
金沢百枝 「ロマネスク美術と怪物たち――聖堂に息づくギリシャ神話」
<連載>三浦雅士 「 世界史の変容・序説――『水滸伝』と『千一夜物語』」
<往復書簡>ビル・エモット+田所昌幸「自由民主主義の危機は続く」
<時評>芳賀 徹/高階秀爾/渡辺 裕/苅部 直/待鳥聡史/藤森 照信/奥本 大三郎

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