20世紀を代表する建築家の一人ルイス・カーン。その生涯の大半を過ごしたフィラデルフィアの町への考察から始まって、"カーン誕生"の画期となった「イエール大学アート・ギャラリー」、サーブド・スペース サーバント・スペースの考え方が結実した「ソーク生物学研究所」、アルカイックな建築からの離脱を試み、現代的な透明性を実現させた「キンベル美術館」など、彼の遺した建築作品を巡る中から、一般には難解とされるその建築思想の骨格をわかりやすく解き明かす。また、巻末には、それぞれの作品の所在地、連絡先、見学方法などのリストを掲載し、ガイド・ブックとしても活用できるようになっている。