設計の最初のアイデアを、どうやって発展させて建築のデザインにまでもってゆくのか。これまで誰も教えてくれなかったアイデア開発のプロセスが、茨城県営松代アパートの共同設計と、東京大学での課題設計の経験を通して、実践的に語られる。これらの事例は、同時に、建築が現代都市に有効にかかわるための具体的戦略としても読めるように編まれている。もちろん、そのほか集合住宅の設計についてなど、二重三重に仕組まれた本書は、建築系学生のみならず、教育者や実務に就く建築家・都市計画家にとっても、多くのさまざまな示唆を含む。