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  • 著者松尾スズキ
  • 出版社文藝春秋
  • ISBN9784163908588
  • 発行2018年6月

もう「はい」としか言えない

浮気がばれて、パリへ逃げた。そこに悪夢が待っていた。

もう笑うしかない……松尾スズキ、衝撃の最新小説!



二年間の浮気が、キレイにばれた。別れたくない。二度目の結婚で、孤独な生活はこりごりだ。

妻の黒いヒールスリッパの鼻先に、海馬五郎は土下座するしかなかった……。

無条件降伏として、仕事場の解約と、毎日のセックスを、妻から宣言された。

性に淡白な海馬五郎は、追い詰められて、死すら望むものの、死ねるはずもなく、がんじがらめの日々を過ごしている。

半年ほど息苦しい生活を味わった頃、海馬五郎は、フランスのエドルアール・クレスト賞の受賞を知らされる。

「世界を代表する5人の自由人のための賞……?」

胡散臭いものだが、パリへの旅費と一週間の滞在費を支給してくれるらしい。

飛行機が嫌いで、外国人が怖い海馬五郎も、一週間は妻とのセックスを休めるというので、その誘いにのった。

これが悪夢の旅になったのである。



表題作『もう「はい」としか言えない』の他、海馬五郎の恥ずかしい少年時代をヴィヴィッドに描いた『神様ノイローゼ』をカップリング。

天才・松尾スズキのシュールでエンタテイメント精神にあふれる、まったく新しい小説世界へようこそ!



〈著者プロフィール〉

一九六二年、福岡県出身。

一九八八年に「大人計画」を旗揚げする。主宰として多数の作・演出・出演を務めるほか、エッセイや小説の執筆、映画監督など、その活躍は多岐にわたる。

一九九七年、岸田國士戯曲賞受賞。二〇〇一年、ゴールデン・アロー賞演劇賞受賞。

二〇〇六年、小説『クワイエットルームにようこそ』が芥川賞にノミネート。

二〇〇八年、映画『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』の脚本で、日本アカデミー賞最優秀脚本賞受賞。

二〇一〇年、小説『老人賭博』が芥川賞にノミネート。

二〇一八年、「大人計画」は三十周年を迎えた。

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