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  • 著者太田達
  • 出版社メイツ出版
  • ISBN9784780420708
  • 発行2018年6月

DVDで手ほどき茶道のきほん 新版 / 「美しい作法」と「茶の湯」の楽しみ方

間違えないことよりも、心をこめること。
形式よりも、自分らしくもてなし、愉しむこと。
まずはイロハから
・お茶会にお呼ばれしたら
・茶室での振る舞いや所作
・お茶席での会話
もっと広がるニホヘト
・茶事と道具のいろいろ
・和菓子との深い関係
・自宅で楽しむお点前
茶の湯には日本の美、日本人の心が詰まっています
今からおよそ1300年前に中国から伝わった茶ですが、
それから約400年後に栄西禅師により佐賀県の背振山に茶の樹が植えられ、
抹茶法が伝えられたころから、一般に飲まれるようになったといわれています。
抹茶法とは、茶碗に直接茶の粉を入れ、これに湯を注いでかき混ぜて飲む方法で、
今の薄茶に近い飲み方と思われます。
その後、幾多の茶人の手を経て、千利休によってわび茶が大成されました。
茶の湯は、「一服の茶を飲む」ことを目的としながら
そこには日本の美、日本人の心に出会うことができます。
それはまるで美の玉手箱です。
今日は、その玉手箱を開けてみることにしましょう。
まず、目にするのは「自然の美」でしょう。
露地に、一輪の花に・・・。
『利休百首』に「花は野にあるように」という言葉があり、
花はつぼみをいけ、野にあるがごとくに露をおき、
茶会が進むにつれて花は開き、最高の美の瞬間を見せます。
茶室という小さな空間の中で、一輪の花の命の輝きにふれながら、お茶をいただきます。
そして、「道具の美」です。
茶碗、茶杓、釜・・・。
茶の湯に使われる道具は時代を映し、
様々な茶人の手を経て伝えられてきました。
茶碗も年月を重ねると、例えば、茶が貫入に染み込み、
これが味わい深い景色になり目を楽しませてくれます。
濃いグリーンの茶をを回し飲みすると、一味同心。
陶工からのメッセージが伝えられ、心がひとつになる充実感がもたらされます。
茶室という空間には派手さも豪華さもありませんが、
吟味された自然の素材がさりげなくつかわれ、
美しく見せる工夫が凝らされています。
こうした「室礼の美」にも感動します。
光と陰の美しさも見逃せません。
光を遮った空間でいただくお茶は、
心に落ち着きをもたらしてくれます。
まだあります。茶を点てる「所作の美」です。
ひとつひとつの動作には美しい型があり、
その動作がおいしい茶を点てるにつながるのです。
最後に美の玉手箱で見つけたのが「亭主と客でつくる美」です。
亭主はかけがえのないひとときを大切に、真心を込めて準備をし客を迎えます。
客は亭主のもてなしに礼をもって応えます。
一服の茶を通して、美を分かち合い、美をつくっていく。
それが「茶の湯」です。

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