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  • 著者山川徹
  • 出版社小学館
  • ISBN9784093897778
  • 発行2018年6月

カルピスをつくった男三島海雲

カルピス誕生100年!!
誰もが知る国民飲料。その産みの親を誰も知らない。
会社の売上げより国の豊かさ、そして日本人の幸せをひたすら願ったカルピス社創業者・三島海雲。筆者は同社OB、遺族のもとを訪ね、遂にはカルピス誕生の地モンゴルに飛んだ――。
近代日本を軽やかに駆け抜け、遊牧民の生活から夢の乳酸飲料を着想した男の生涯を辿る人物評伝。
国利民福は、企業は国家を富ませるだけでなく、国民を豊かに、そして幸せにしなければならないという三島が唱えた経営理念だ。経営者が当たり前に持つべき思想だと感じる。だが、いま、新自由主義がもたらした格差と分断が広がる社会で、社会や他者を顧みる余裕は奪われてしまったのではないか。自己を最優先しなければ、競争を生き抜けない。
だからこそ、国利民福を貫いた三島海雲を知ってほしいと思った。何よりも三島が辿った道は、私たちが生きるいまにつながっている。
――あとがきより
【朝日、読売、産経ほか各紙が書評で取りあげた話題書】

【編集担当からのおすすめ情報】
三島海雲は、1878年に貧乏寺の長男として生まれ、1902年、日本語教師として中国大陸に渡りました。その後、北京で雑貨を売買する行商会社を立ち上げ、モンゴル高原を行き来するようになります。ある日、遊牧民から乳製品を振る舞われ、未知なる味に心が躍ります。その感動は海を渡り、1919年、日本初の乳酸菌飲料カルピスが誕生することになります。
筆者は、近代日本を軽やかに駆け抜けた三島海雲の足跡を辿り、果ては、モンゴルの草原にまで足を運びました。驚くべきことに、そこで、百年前の旅人・三島海雲を語り継ぐ現地民とも出会いことになります。
本書は、優れた人物評伝であると同時に、日本人が忘れた「人」や「社会」を思いやる心をモンゴルにて再発見するルポルタージュとしても読めます。カルピス誕生100年の節目に、ぜひ手に取っていただきたい一冊です。

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