道徳的にみて「善い」「悪い」という判断には、客観的な根拠はあるのか。「赤い」「青い」などの知覚的判断や、「酸性」「アルカリ性」などの科学的判断とはどう違うのか。その基準となる「道徳原理」は、どのようにありうるか。ソクラテス以来の大問題を、最新の分析哲学の手法を用いて根底から論じ、倫理学の基本を解き明かす。