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  • 著者大濱普美子
  • 出版社国書刊行会
  • ISBN9784336062758
  • 発行2018年6月

十四番線上のハレルヤ

宵闇の四つ辻、季節はずれの祭囃子、遠い記憶の手触り――夢と現が交錯する、奇妙でノスタルジックな幻想譚「ラヅカリカヅラの夢」「補陀落葵の間」ほか全6篇を収録。西崎憲・東雅夫推薦!! 装画:椎木かなえ 装幀:コバヤシタケシ
[推薦のことば]
●西崎憲(作家・翻訳家・アンソロジスト)
いつのまにか文中の風景を歩いている。本のなかの路地を歩き、家並みの隙間から空を眺める。本のなかには人もいて、隣にすわった少女が絵を見せてくれる。そしてどこが間違っているか指摘しろと云う。わたしには分からない。なにしろその間違い探しの絵は一枚しかないのだ。もう一枚はどこにあるか訊こうと顔をあげるが少女の姿はもうない――ずっと前からこういう小説が現れることをわたしは予期していた。そしてようやくいま作者の名前を突きとめた。大濱普美子。
●東雅夫(アンソロジスト)
巻頭の「ラヅカリカヅラの夢」から一気に惹きこまれた。萩原朔太郎「猫町」や佐藤春夫「美しい町」を想起しながら、市井の人々と人ならざるモノが物憂げに共棲する尽(すが)れた幻想市街図を堪能した。要するに、澁澤龍彦のいう「幾何学的精神」が、大濱普美子の小説には躍如としているのである。

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