「この壮大なリアリティは学びの宝庫だ」(成毛 眞氏)
世界に約20億人いる“金融難民”に、「新しい仕組みの銀行」を提供する――。
本書は、そんな前代未聞の構想を実現するために
アフリカ・モザンビークで事業を展開する日本人起業家の仕事録です。
■ 辺境から世界を変える。目からウロコの《新しいFinTech》誕生秘話
舞台は、モザンビーク人ですら「辺境の地」と呼ぶ農村部。
電気は通っておらず、ほぼ自給自足の生活をしている農民たちが住む地域です。
著者が代表を務めるベンチャー企業・日本植物燃料は、主力事業である
バイオ燃料の製造・販売を行う過程で、巡り巡ってこの地にたどり着きました。
その後、日本では想像もできないような出来事が重なり、
近年は村の生活レベルを向上させる目的で
電子マネーを使った「収益分配型モバイルバンク」づくりに奔走しています。
なぜ、電気の通らない村で電子マネー事業を始めることになったのか?
そのきっかけとなった“妖精”や呪術師との闘いとは?
異文化圏で遭遇するさまざまなトラブルに対処していく中で生まれた
新しいFinTech構想は、世界中の農村や貧困地域に「お金の革命」を起こす
ポテンシャルがあるとして、国連にも注目されています。
■ 未来の銀行を構想する動機になった、現代金融の問題点とは
著者がビジネスパーソンとしてライフミッションにしているのは、
「世の不条理をなくしたい」という思い。
畑違いの金融業に本腰を入れることにしたのも、
このライフミッションを果たす上で、
現代のお金のものがたり(≒経済構造)が生み出す地域間格差を
是正する仕組みづくりが必要だと考えたからです。
本書では、この仕組みづくりの前後で著者が学んだ「お金の歴史」や、
現代のグローバル経済が抱える問題点、その解決策を記しています。
また、アフリカで生まれた「新しい仕組みの銀行」構想の発展形として、
日本の地方都市を元気にする「地域通貨」の可能性についても述べています。
日本から世界へ。世界から日本へ。
文字通りグローバルな活躍を見せる著者の言動は、
世界を変えたいという若者にとって格好の教科書になるはずです。