日本人の気づかぬところで仏教のことばが生きはたらいている。「愚痴」は横綱級の煩悩。「律儀」は習慣的な善行。「以心伝心」の心とは、本来、人間のあるがままの姿のこと――。日常語であっても、仏典や教義にその語源を求めるとき、無限にひろがる仏教語の大海へとたどりつく。大乗仏教、真言密教、そして禅まで、第一線の仏教学者が名著『佛教語大辞典』のエッセンスへと誘う。身近なことばの奥深さに触れる仏教入門、好評続篇。