かつて、日本が侵略し植民地にした
大韓帝国(現北朝鮮・韓国)を舞台に、
大日本帝国の戦争に協力する親日文学者たちによる雑誌があった。
1910年に併合した韓国のソウルを拠点にしたこの雑誌の
執筆者は、韓国(朝鮮)人文学者についで、
日本人は作家・詩人、京城(ソウル)帝国大学の教育者、
朝鮮総督府関係者およびメディア関係者など230名余り。
これまでほとんど光を当てられることのなかった、
知識人たちの精神的・思想的侵略の実態をていねいに
読み解き、ほりおこす。
戦後、何事もなかったかのように置き去りにされたままの
戦争責任を問う。
東アジアの平和が問われる今こそ、負の歴史を学ぼう。
『国民文学』に登場する日本人(一部)
田中英光、佐藤清、則武三雄、秋田雨雀、新井雲平、
安東益雄、飯田彬、大島修、小尾十三、菊池寬、
木山捷平、久保田進男、椎木美代子、汐入雄作、島田邦雄、
城山豹、竹内てるよ、田中初夫、寺本喜一、中野鈴子、
西亀元貞、南川博、宮崎清太郞、三好富子、湯浅克衛、
横光利一、吉尾なつ子、吉川江子、長田幹彦、宇野千代、
佐藤清、杉本長夫、近藤時司、寺本喜一、黒田省三、
青木修三、楠田敏郞、寺田瑛、萩原浅男、津田剛、
授松月秀雄…。
時枝誠記を始めとした京城帝国大学教授陣、助教授、講師、
さらに図書館長、京城医学専門学校、延禧専門学校、
京城第一高女国民学校などの校長など。
文学者以外に教育者が多いのは、
韓国(朝鮮)人の日本(人)同化教導の任務を負っていたことを
顕示する。