正宗白鳥が書いた信長は、はたして名将か否か。林芙美子は秀吉にいかなる評価を下すのか。円地文子の筆は上田秋成をどう描き、はたまた安吾は蝮の道三といかに対峙したのか-二十世紀を代表する小説家二十七人が、自らが立つ場所を見捉え、日本とは、そして日本人とはなにかという命題に挑んだ答えがここにある。歴史時代小説史に輝く名作傑作短篇が一堂に会するアンソロジー。