苦し紛れの賭けか、日本再生の起爆剤か──。国内市場の縮小に悩む日本の住宅産業が海外進出を本格化させている。「車や家電ならともかく、気候も所得水準も文化も違う海外で住宅が売れるはずがない」そう思う人も多いだろう。だが、住宅メーカー自身は「非常識な挑戦」とは考えていない。「ウサギ小屋」などと揶揄されてきたニッポンの家だが、防水や断熱など快適な住環境を効率的に作る技術や、アフターサービスの質は世界屈指のレベルにある。「強みを融合し現地ニーズを反映した“世界戦略住宅”を開発すれば、海外市場開拓は十分可能」これが多くの住宅メーカーの考え方だ。果たして日本の住宅産業は、世界に類がない「家の輸出材化」を成し遂げられるのか。「最後の日の丸商材」としてニッポンの家が海を越えれば、日本経済を取り巻く風景は一変する。