聴覚障害児の文理解能力の研究

本書は聴覚障害児の文理解能力に焦点を当てて書かれたものである。聴覚障害児は知的に遅れているわけではない。にもかかわらず文理解能力が顕著に落ち込むのはどうしてであろうか。その文理解能力を考える際、聴覚障害児がどのような言語体系あるいは文法体系をその内部に持っているのか、またそれに影響を与えている要因は何なのかを検討する必要がある。第1部として文理解能力を考える際の基本的事項および聴覚障害児の文理解能力に関する文献考察を記述した。第2部では筆者が行なった研究を中心に記述した。