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  • 著者木庭顕
  • 出版社朝日出版社
  • ISBN9784255010779
  • 発行2018年7月

誰のために法は生まれた

追いつめられた、たった一人を守るもの。
それが法とデモクラシーの基(もと)なんだ。
替えのきく人間なんて一人もいない――
問題を鋭く見つめ、格闘した紀元前ギリシャ・ローマの人たち。
彼らが残した古典作品を深く読み解き、すべてを貫く原理を取り出してくる。
この授業で大切なことは、感じること、想像力を研ぎ澄ませること。
【最先端の知は、こんなにも愉快だ! 中高生と語り合った5日間の記録】
映画を観たり戯曲を読んだりのあと、中高生との対話がはじまる。
さぁ、本当の勉強をはじめよう。
「教養どころじゃなく、自分の価値観とか、ぜんぜん、すごい変わる授業」
「人生の大事な一部分になりました」――生徒
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自由な言葉とはなにか、それはどのようにすれば機能するかをギリシャの人たちはとことん考えていた。われわれのように、憲法があるから、表現の自由で、言葉は自由だ、って、もうそこで考えを止めちゃって、ああ、自由だ自由だ、自由なはずでしょ、とかは、流石にギリシャの人たちは考えない。実質、言葉の自由が、どうしたら社会の中で実際に実現して、本当に自由なのか、この作品ばかりじゃなくて、いろんな作品にとことん書いてある。そしてこの場合も、ここでできあがった信頼関係は、新しい人間関係を作っている。新しい組織原理になって全体を解体して、ぜんぶ塗り替えちゃう。
――第四回(紀元前五世紀のギリシャ悲劇「フィロクテーテース」)より
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