虫と話をする幼稚園児の拓人と、姉、父、母。静かな、しかし決して穏やかではいられない日常を精緻な文章で描きながら、小さな子どもが世界を感受する一瞬を、ふかい企みによって鮮やかに捉えた、野心的長篇小説。〈受賞情報〉谷崎潤一郎賞(第51回)